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<<   作成日時 : 2009/03/02 23:28   >>

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「あなたは一体…何者なのですか」
元は眉をしかめて溜息をつき、困りきった声音で吐き出した。

「運命を人質にとるなど、正気の沙汰とは思えない。あなたは一体何者で、何者になろうとしているのですか」
「俺に聞かれてもなあ。そういう何か哲学っぽい難しい事は、三蔵か伯欽に聞いてくれよ」
陳緯がムゥと唸り、頬をかく。
「大体、三蔵を人間扱いしないのはアナタ達の方じゃないか。只の人間にこんな試練与え続ける方が、よっぽど狂気の沙汰だよ」

「…何だ、どうなっているんだ?」
「2人共動かないっすね…」
八戒が額の上に手で庇を作って、闘技場舞台の上の3人を見る。
「こんな試合、ありなのか!?伝統ある武術大会決勝で、双方戦意なしなんて!」
「真面目にやって貰わないと困りますね…」
太子達も騒ぎ始めた。
悟空は舞台上の会話が全て聞こえていたので、黙っている。

「もー限界、俺審判に真面目にやれって言うよう言ってくるッ!」
総空がしびれをきらして立ち上がった瞬間、試合は動いた。
突然、玄策がパッタリと倒れたのだ。
「え?」
「は?」
会場内がざわつく中、元が高々と片手を挙げる。そして告げた。
「勝者・玄弉!」
その声は苦々しく、栄誉ある武術大会優勝者の名を呼ぶ声には少々相応しくなかった。

「…ちょっと待てぇッ!」
額に青筋を立てた総空が、手すりに足をかけて怒鳴った。
「こんな意味不明な試合、納得出来ーん!玄弉、お前がこの州で最強だなんて、俺は認めないぞ!」
「お、おい総空!気持ちは分かるけど落ち着け!」
「彼は優勝したんです、それは間違いないんですよ!」
統陸と全海のなだめる手を振り払い、総空は杖をとって舞台へ躍り出た。

「俺と闘え、玄弉!俺が勝ったら沙師匠達を解放しろ」
「解放?」
陳緯はパチクリと瞬いて、観客席の悟浄を見上げた。
「沙さん、アナタは無理強いされて旅してんの?」
「まさか!ずっと違うって言ってるのに、全然分かってくれないんすよー」
「って言ってるけど」
ブンブンと首を振る悟浄を示しても、総空は陳緯を睨むだけで観客席をを見もしない。
「お前が言わせてんだろ、分かってるんだよ!」
「分かってないよ…」

陳緯は審判である元に助けを求める目を向けたが、元は我関せずと言った風に目を伏せている。
陳緯はガクリと肩を落として、しょうがないなあとぼやいた。
「やればいいんでしょ、やれば…」
そして嫌々剣を構えた。



…本日はここまで。
続きは次回の講釈で。

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