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zoom RSS 鵺栖町あやかし譚364

<<   作成日時 : 2012/03/30 00:51   >>

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真稚はいつも通り、神社の裏の丘、桜の木の上でうたた寝をしていた。

枝についたつぼみは綻びかけ、数日中の開花を告げる。
思えば、この桜に集まった魂を昇華させたのが、幻がこの町で初めてこなしたあやかしごとだった。
(あやかしを憎んで復讐の為にここに来たあいつが、一番あやかしに近い場所に落ち着くとはな…)
そして、人間を嫌ってあやかしに添いたいと思っている自分が、一番あやかしから遠い立ち位置にいる。皮肉なものだ。

半分あやかしである社。
完全にあやかしとなり鵺栖の神になった幻。
自分だけがまだ人間である事に、何か意味があるのだろうか。

「真稚ー!」
木の下から名前を呼ばれて、真稚は片目をあけて下を見た。
噂をすれば影、というやつだ。
金髪を陽に透かし、幻が手を振っていた。

「出かけるからJoinusしようよー」
「行くわけないだろうが」
「でも僕ら4人が呼ばれてるんだよ」
鵺栖神社の面々を呼んだのは、『祭』の時に尽力した町の有力者達だ。
それでも動かない真稚に、幻がボソリと告げる。
「来ないと夕飯ないよ。場所は料亭とらつぐみだもん。きっとご馳走だよ?」

町一番の高級料亭の名を聞いて、真稚は極限まで眉をしかめつつ、木から飛び降りた。

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